Title: Meat meets me。
2015.05.26

一銭にもならないことを考えたい気分なので焼肉について。

第一回 いい焼肉屋ってなに?

お肉好きを公言していると、いい焼肉屋知らない?ということをよく聞かれます。その度におよそハズレのないお店をお伝えすることは晩飯前なんですが、そこをもう一歩踏み込んで「焼肉」というものについて考えてみたくなりました。

最近つくづく感じるのは、いいお肉をだす店=いい焼肉屋でもないということです。

国産和牛A~ランクとか、なんちゃらブランド牛、~熟成肉、牝牛のみ、などなど。たしかに肉そのものの品質の差というはありますし、肉質も全然違います。おいしいお肉をつくってくださる全国の畜産農家の皆様いつもありがとうございます。

いい肉を提供できるということは、肉の目利きやパイプなどがしっかりしているということですので、(このパイプというのはとても重要で、希少な部位や新鮮な肉が定期的にはいってくるパイプというのはどこの焼肉屋にもあるわけではなくそれもお店の力の一つでもあると思います、ハラミとタンだけはいくらお金を積んでもこのパイプがしっかりしてないといいものが仕入れられないそうです)無論そのお店はおいしいお肉を提供してくれる点では間違いなくいい店なわけですが、

あちこちのお店を食べ歩く中で、肉質的にはとてもいいものをだしているのにインパクトに残らない、またここのお肉がたべたい!と思えない店があったり、肉質だけでいえば、おそらくもっといいところがあるだろうに、がつんとインパクトがあって、またこのお店でたべたい!と思える店があるわけです。

その違いは何かということです。

結果からいうと、部位によって特徴が異なる肉を、食べ手にどういう形で食べて欲しいか。そこに作り手である店主の想いのようなものがのっているか否かだと思うのです。想いとかいうと目に見えない非科学的な熱量的な問題だと思われそうですがそうではなくて、その想いは様々なところに見てとれます。

その一つは肉の切り方です。肉は切り方一つでうまさが格段に変わると思います。

例えば、焼肉屋でカルビ1人前を注文した時に、どれくらいの量が、どのくらいの厚みで、どのような形でくるのかというのはお店によって全く異なります。最近では1人前という形ではなく、店側の食べて欲しい形、サイズで部位別に提供してくれる店も増えてきましたが、ここの違いに作り手の意図があるかどうかということですが、作り手の意図というのはつまりは食べ手の顔を想像しているか否かだと思うわけです。

いい肉質だからといって、スライスしてそこそこの大きさで一辺倒にだせばいいかといえばそうではないわけで、それだけで肉のパフォーマンスを台無しにしてしまう場合もあります。

筋切りなんて当然だと思うかもしれないけど、普通に筋を落とし切れてないものや、余分な脂を落とし切れていないものがそこそこの値段ででてくることもあるし、厚切りでインパクト大なのだけど解凍を含めた下処理が不十分な状態のタンがでてくることもある。

逆に、カルビとしてはだいぶインパクトあるサイズでだしてきてるのにかかわらず、絶妙なサシ加減と切り口、余分な脂が一切無く、そのサイズをぺろりと食べても胸一杯にならないものもある。また食べやすく火が通りやすいように、隠し包丁がいれられていたり、ロースの同じ部位を切り方やサイズを変えてより肉質を楽しめるように提供している店もある。

それはただでかい塊でだしとけば喜ぶだろうという話ではなく、その肉の部位にあった食べ方で、その肉の魅力を存分に伝えているかどうかだと思うのです。そういう工夫にであうと作り手の肉に対する愛を感じるわけです。

個人的にはイチボというメニューを頼むとその仕事の差がとても顕著にでるように思います。肉質によって繊維を断ちきるのか、繊維にそってきるのかそれだけで"うまい"も全然変わります。(繊維を断ちきったほうがサシの見た目がいいからといってすべて断ち切ってしまうと焼いて肉が縮んでしまうという残念な場合もあります)

きっとベストな形でベストな部分を提供しようとすると様々な無駄がでてしまうのだろうと思うのだけど、そこに無駄をださずに、どうベストな状態を保つかということに取り組む姿勢、その葛藤、苦悩が1人前の皿の中に見てとれることもあるわけです。

(どうしても肉の切り方によってでてしまう半端な部分を裏メニューとして提供してくれる店もあります)

「焼肉」というものは、もはや「カレー」や「ラーメン」と同じレベルで日本独自の進化を遂げている食べ物だと思います。

肉を焼いて喰らう。その人間が本来持ちうる原始的な欲求はもはや一つの文化にまで昇華しかけている。といっては過言だと思いますが、間違いなく独自の進化を遂げています。そこに伴って昨今の焼肉業界は様々な特色を打ちだして他店との差をつけようとしていますが、そこで我々消費者が忘れてはならないのは、そこに作り手の想いを感じられるかどうかではないかと思うのです。店のネームバリューにつられ、値段につられ、ブランドにつられ飛びつくような肉人であってはならないのです。それはひいては牛に対して、命に対しての感謝の念でもあるのです。

そしてそれは焼肉というものに関わるすべての底上げ、そして独自の進化を遂げる中で息づく日本の心を守ることでもあると思うのです。一口に焼肉といっても、それはとても奥が深いものだと思うのです。

いい焼肉屋とはなにか?そこに答えを見いだすのであれば、それは一枚のカルビ、一枚のロースの中に、そこにつながる全ての縁、願いが、心地よいサシとともにのっている店であるということです。

そんな焼肉に出会えることを今日も願って。

Meat meets me

見渡す限りに広がる明日に、おいしいお肉があらんことを。

ビバ、ヒコバンバン。

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Title: こころころころ。
2015.05.23

こころころころ。さだまらぬ。

さだまらぬ。



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Title: 点。。。。
2015.05.23

結果がでることや、評価されることを目指してなにかを積み上げているつもりなのに、結果がでたり、評価されるたびに、一体自分はなにがしたいのだろうかとか、一体どこへいきたくて人からどう思われたいのだろうかなんてことをもちゃもちゃっと考えたりなんかして、えもいわれぬ焦燥感にかられたりもする。

評価とか結果というのは、誰かに求められてるものを、求められてる形で提供できるということで、その評価結果というのは、千差万別、十人十色、とても流動動的な点にすぎないのだなと。

その点を積み重ねていくために必要なものが見えれば見えるほど、所詮点なんてものは点に過ぎなくて、もっとそういうものを離れたところにいきたいとおもうのだけど、それにはとても勇気と覚悟がいるのだなと。二の足踏んでるわけでもうずっと。

くっそとか思うのだけど。

そのくっそもきっと、頭で考えた筋書きとのズレに対する一種の驕り。

自分がどの状態でいれば一番のパフォーマンスを発揮できるのか、朧気ながらにつかみかけているのに、それを維持するために埋めなければいけないところの底が深くてみえないわけで。

いや底がみえないと思っているけど、それは素数をたどってぐるぐるとキューブの中を回っていくのだけど、結局最初の部屋に戻ってきて、外への道が開けるようなものなのかもしれないと。

言葉言葉言葉。

すべてが後付け。

世界の事象なんてものはほとんど後付け。

根っこにあるのは。埋めたいなにかと、埋められないなにか。その堂々巡り。

前に前にとおもっていたって前はどっちだよ。








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Title: 七厘
2015.05.18


心が震える理由なんてのはきっといくつになってもかわらないのだろうと思う。

*

肌感覚とか空気とか。

そんな揺らぎみたいなもの。

目に見えるものの、目に見えないところに流れているその揺らぎのようなものにもっと鋭敏になりたい。

飲み込んだ言葉も、深いため息も、苦笑いも、投げつけられた言葉も、思惑も、算段も、謀も、切っ先の尖ったあれやこれも、その根底にあるものは血の通った暖かいもので、そこに温度があることに安心して生きていきたい。それが自分の資本となって、自分の元本になるのだとしんじて。

そんで打ちのめされたら両手両足を投げ出して、大の字にひっくりかえって、空でもあおいで、いぶりがっこでもかじって、また挑むのだ。

*

切っ先丸くして、竹光褒めあって。自分がぶら下げてるものだけは真剣だと疑わず。ときにでたらめにそれを振り回して、重さを感じることで安心して。たたかうこと自体を疑って、正義とはなんだとかかんだとかのたまって。

大人ってやさしいけど。

こわいな。

子どもはむきだしでこわいけど。

やさしいな。

*

自分の言葉を使えるようになるためには、普段から自分の言葉の精度をあげておかなければいけないなと。

それは「てにをは」とかそういう話ではなしに。

体裁の良さとか、通念とか、ルールとか、誰かの為に使う言葉ではない、自分の言葉の精度を。それがなんなのか、考えて、思い出して、使って、失敗して、言葉は自分のものになっていくのだと思う。

頭と心の呻吟する声を、摩擦なく柔和に吐き出すかのような言葉をつかえるようになりたい。


*

旅人はみんな泣いているって言われて、すごく腑に落ちたのだけど、でもいつかそうじゃない旅をしたい。



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