Title: ノストラダムス。
2019.12.12

1999年、その頃の自分がなにを想い、誰とどこでなにをしていたのかを鮮明に思いだすことは難しいのだけど、2000年になる瞬間に、暗い部屋の中で、パソコン向かいながら、ずっとノストラダムスのことを考えていたことだけは覚えている。

ノストラダムスを知ってからずっと、どうせ1999年に人類は滅亡するのだという、どこかふてくされたような思いがくすぶりつづけていたのだけど、そんな思いはミレニアムの幕開けとともに何事もなかったようにかき消されて、世界は終わることなくまわり続けている。

ノストラダムスの名前も、はるか深く記憶の底に沈んだまま今を生きている。

でも思うのだ、自分がもしノストラダムスと出会っていなかったら、きっと全く同じ今の自分にはなれなかったのではないかと。

そう思えること、ひとつひとつの出来事が良し悪しではなく、一つの事実として積み重なって、その一番先頭にあるものが今この瞬間であるという偶然性と必然性に、人生の意味や意義などというものは些末なことであるということを知る。

同時に、不自由な中にこそ自由があり、自由なことが不自由であるいうことの輪郭がとてもはっきりしてきたように思う。

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また少し言葉の中に身を置いてみようかと、決して強くもなく、確固たるものもなく、ふんわりと。
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