Title: ポテトチップ
2023.10.13

先日、朝食を買おうと、コンビニで車を止めた時のこと。

先にコンビニに入っていったサラリーマンが、
自動ドアをくぐるなり、一瞬の迷いもなく目の前に積んであったポテトチップスの特大サイズをとると、
一目散に会計を済ませ、袋ももらわずに店を後にするやいなや、
自動ドアを出た瞬間に袋を引きちぎり、
ポテトチップを食べ始めた。

べたべたであろう手でドアを開け車に乗り込むと、運転席に座ってからも、
むさぼるように、まさに「むさぼる」ってこういうことなんだなということを感じるほどに、
一心不乱にポテトチップをたべている。恍惚として。

あの人はこのまま豚に代わっていくんじゃないかと錯覚するような光景だ。

その光景にくぎ付けになってしまって、

まず自分の人生において、1日の始まりに口にするものがポテトチップだったことはいままで一度だってない。
(そもそもあれがはじめての食事かどうかはわからないが)
自動ドアをでると同時に袋を引き裂くようにあけて、食べ物にありついたこともない。
そもそもあんなに一心不乱に何かが食べたいと、一秒早くでもむさぼりつきたいと思う食べ物にであったことがあっただろうか。

べたべたになる手とか気にせず、周りの目も気にせず、ただただ、目の前の食べ物に没頭として恍惚と食欲を満たしたことがあっただろうか。

斜め前の営業車でポテチをむさぼるサラリーマンを見ながら、
自分の人生を走馬灯のように振り返りながら、

なんかいいなぁと思ったのです。

なんでそんなにポテトチップたべたかったの?
なにがあの人をそんなにポテトチップに駆り立てたんだろう。
ポテチに埋もれる夢でも見たんだろうかと思いながら、

自分もおもむろにコンビニで、普段しないようなことをしてやろうと、息まいて自動ドアをくぐって、
普段絶対に食べないであろう、焼きそばパンをつかんで、
さすがに立ったまま袋を開けるのは行儀が悪いので、
車に座るなり、袋をいつもより派手に引きちぎって、
3口でほおばってみたという。

本当に誰も得をしない、ただのおじさんの日常をお届けしたところで、
たぶんすごく気になってると思うのだけど、
ポテトチップの味はコンソメパンチだったということを付け添えて、
人生は色々あるけど、いまリンドバークを聴きながら
こんなことが書けるくらいは元気にしているという近況をお伝えします。











| コメントを書く (0) | Trackback (0)