Title: 「君たちはどういきるか」
2024.03.11
「君たちはどういきるか」をみた。

まだうまく整理できてないけど、感じたままに言語化しておく。

まず初めて見る映画なのに既視感があって、その既視感が自分自身の体験の中のどこかにあったような錯覚を覚えた。

そしてストーリーを通して最初から最後まで感じていたのは「境界線の曖昧さ」だった。自己と他者、理想と現実、本音と建て前、肉体と精神、過去と未来、生と死。

人間の生きる現実世界はそんな境界線で出来上がっている。

その境界線は矛盾をはらみ理屈を孕みながら、個々の中に積みあがっていく。そしてその境界線で区切られた世界が積み木のよう積みあがって。時にうねりながらも絶妙なバランスをとっている。

本来そのボーダーは曖昧で、曖昧だからこそ非情であり寛容でもあり、その振れ幅の中に人間はどうする術も持たず飲み込まれていくのが性なのに、それでも最後まで人間は境界にしがみつこうとする。

そして現代はその境界線があまりにもはっきりとした輪郭で、多くのものを分断していく。今の時代だからこそ、この境界線の曖昧さの中にある「救い」みたいなものにもっとスポットが当たっていいような気がする。
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