Title: 保育について

幼児教育関わる中で学んだことの1つ。

あたりまえのことのようだけど、目の前の人と信頼関係を築くときに一番大事なのは、「気づき」だと思う。誰だって、自分の事によく気づいてくれる人には自然と信頼をできるようになる。その根底には、人間の自分を見てほしいという欲求があって、それを満たしてくれる相手に安心感を覚えるというものだろうと思う。

これは保育に限ったことではないけど、とくに幼少期において身近な大人との信頼関係を築くということは本当に大切なことで、そこでうまく信頼関係を結べるようにしてあげるということは、今後の人生に関わってくる根幹だと思う。

保育をする上で、どんなに理想を掲げても、たとえばいろんな引き出しやアイディア(遊びの展開の方法や、声かけや手遊び)そういう技術的な部分は研ぎ澄まされているのに、いざ保育にそれを取り込んだときに、うまく活用できず活動の中で空回りをさせる保育者がいると思いきや、そういう技術的な部分はまだまだ未熟なのに、早い段階で、例えば夏頃までには保育者と子どもたちの信頼が揺るぎない物になって余裕すらでてくる保育者もいる。

その差というのがそのまま保育者の差で、その差が生まれる根本的な部分には、「気づき」の力の差があると思う。

例えば、朝子どもが来たときに、顔色や普段の様子の違いに声をかけられるか、髪型の違いや、服装の違いに声をかけられるか、そういうのは教えてできることではないし、教えて業務としてやらされると、そうとうの時間と労力を割かなければできるようにはならない分野だと思うけど、その積み重ねの上でしかなしえない保育というのがあると思う。むろんそれができる保育者は保護者に対しても同様に信頼関係を築くことができる。

声をかけたり、なにげないコミュニケーションの数(それが的確であるという前提の上で)は=信頼に結びつく鍵であると思う。

そのベースが築けて初めて、次のステップに進めるんだろうと思う。実践的な引き出しや物理的な引き出しばかりを広げようとして、大事な部分をおろそかにしてしまっては、どんどん思い通りの保育とは遠ざかるのではないかと思う。

なんでもそうだけど、その道を突き詰めようと思ったら、技術やスキルにこだわるだけではなく、まず自分が一番ベストな状態でたてる舞台作りにも着目していかないといけないということだろうと思う。

保育においても、そのベースが築けて初めて、声かけにも保育の導入にもつながりと幅がでるんだろうと思う。保育を「点」で考えるのではなく「線」で考えることのできる保育者の多くは「気づき」の力に優れていると言えると思う。

来年度から入る新卒の保育者の研修をみていて、気づきたくともまだ余裕のない状態だから、すこしでもはやく流れを身につけて、気づける余裕を持てるようになっていってほしいと思う。

そこがまずはじめのステップだろうと思う。

そんななことを思いながらも、でもこの新人だからこそあるパワーというか、勢いというもののもたらす「風」みたいなものがすごく心地よかったりする。

POSTED @ 2011.03.10 | Comment (0) | Trackback (0)

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