Title: ねんどざいく。
朝からどんより曇って、雪とも雨とも言えないようなものがしとしと降っていて、でも傘がないからそのまま歩いてたらこんな天気も悪くないと思った。寒くてからっと晴れてるくらいなら、寒くてどんよりとした天気の方が潔い。そのほうがずっと腹を据えていられる。
野狐禅の「夏みかん」をエンドレスで聞きながら、反対車線で渋滞している車の運転席を眺める。
ほんといろんな人がいるな。
険しい顔した人も、なにかを熱唱する人も、携帯で話している人も、無気力にただ前を見据える人も、みんな何食わぬ顔で、それぞれの瞬間をそれぞれが生きているのだと、あたりまえのようなことに妙に納得した。
人の数だけ世界がある。
なんか閉鎖されてる後楽園ゆうえんちの横を通って、いろんなものがこみ上げる。
自分のこの両手と両足と、この目とこの脳みそは、これからなにを経験して、どんなことを紡いで、どこにいくんだろうか。
感じたことや見たことを、すぐに頭で文章化してしまうのは、同時に感性を大きな枠の中に押しやってしまっているのかもしれない思った。切れ味と後味のいい言葉ではなく、もっと子どもの作った粘土ざいくみたいにもてっとした言葉を使えるようになりたい。
うまいこと思い出せないけど、それが今の自分の中の肝心な部分になっている思い出というのがあって、そんな思い出に共通することは、なんか遠心力で振り飛ばされそうになるのを、必死でしがみつこうとしているような時だったということだと思う。
POSTED @ 2011.02.09 |
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