Title: つくつくぼうし。

気づけばミンミンゼミももう力なく、ツクツクボウシがなくやいなや、赤とんぼがとんでます。暑さ寒さもなんとやらといいますが、彼岸を待たずして秋のかぜ。

今年の夏は、いや今年の夏も存分に満喫充電できた。

今年の夏に感じたこと。

人間って迷うと、やっぱり理屈や理論や、規範や道徳や、そういうガイドラインにそって迷いをねじ伏せようとするのだけど、最後の最後で迷いを振り払うのは、理屈やガイドラインじゃなくて、祈りや、願いや、暖かさや、優しさや、愛や、感謝とか、そういう類のものなんだということで。年をとったからなのか、ますます人生は数式ではなくて、文章問題なんだと感じる。

文章問題を解くために必要なものは、行間を読む力なのかもしれなくて、大事なものはいつだって行間にあるのかもしれなくて、そういう余白みたいなものの不確かさと曖昧さが絶妙に絡み合っているのが人生で、それはとても歪で、左右不対称なのだけど。だからこそ唯一無二で、味があって、愛すべきものなんだろうと思う。

1+1=2じゃなくて、いろんな可能性があって、むしろ2が正解だと思い込むことで、人生が全然見えてなくて、人生の中では、1+1=3にも4にもなって、でも、3になるにはちゃんと理由があって、その理由に作用してるのは、公式では表せないもので、それは不正解じゃない。

正解か不正解かじゃないところにあるもの。それが人の心をつかむものだ。

旅先で写真を撮っていても感じた。だれがあの場所で同じようにシャッターを切っても同じ写真は撮れない。そこにあるものは1+1=2じゃなくて、3にも4にもなっててその理由は、言葉にするなら「想い」としかいえないようなもので、そういう目に見えないなにかみたいなものが間違いなくそこにはある。

質量だけが存在だけじゃない。

視界にはいらないものがすべて見えないわけじゃない。そして"見えない"ものはわからないと片付けてしまえばいいわけではない。見えないものが見えていないのは、自分の問題であることがほとんどだと思う。

15歳の時の自分が何もかもわかったような顔で、人生に悪態ついていたのを思い出して、その頃からここに来るまでの道程に自分が通っていた道や、かけてきた時間や、得てきたものや、失ってきたものや、いろいろなものが熟成して、いい感じに臭くなってきた。鼻をつくスメル。

くさくてなんぼ。くさや並。





POSTED @ 2014.08.31 | Comment (0) | Trackback (0)

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