Title: 白銀
栄華を誇った満開の桜が、葉桜になってきて、歩く人もわざわざ足を止めて見上げることもなくなった今の桜もけっこう好きだったりする。完全に花片のなくなるこの少しの間にある、祭りの後感。
ここにこそ人生を重ねるべきだとすら思う。
そんな葉桜を眺めながらぼけっとしてたら、小さな子どもが蛇口の水を出しっぱなしにして逃げた。そしたらそこにやってきた親が、もったいなからやめなさいとその蛇口の水を止めた。
いつもならなんてことない光景なのだけど。
桜にあてられていたのか、だしっぱなしの蛇口の水と、自分が死ぬまでの時間はとても似ていると思った。
だしっぱなし、垂れ流され続ける水をもったいないと思うのと同じように、今この瞬間も自分の時間も、楽しい時間も、幸せな時間も、あの人との時間も、垂れ流され続けているしその流れは蛇口を閉めてもとめることができない。
なんて。
POSTED @ 2012.04.14 |
Comment (0) |
Trackback (0)