Title: 犀
夜風の中に冬の終わる気配を感じて、朝の冷たさの中に春を感じる。
明けない夜もなければ、巡らない季節もない。
この無常こそが優しさであると思う。
すべてをのみこんでいく現実こそが慈しみだ。
帰り道にすこし遠回りをして自由について考えた、帰り道にすこし遠回りをしていい人について考えた。
そのどちらの答えも結局は同じところでみつかったりするのだ。
自由だといっても足を動かさなければそれは自由ではない。自由がないといっても足を動かしていればそれは自由なんだ。
いい人も同じだ。
自分が何をしていて何者かなんてことは、後からだれかが決めるのだ。
すきなように呼べばよい。
自分は不自由でもあるし限りなく自由でもある。
きっと善人でもあるし、悪人でもある。
自分が何になるのか。自分がどこに行くのか。
取捨択一の向こう側。
もう何者でもいいのだ。
ああもなりたくないしこうもなりたくない。
そうやってあぶり出されたものに結果としてなっていくだけでいいのだ。
否定と肯定も再生と破壊も。
その関係性さえも、その連鎖さえも手のひらの上なのだな。
POSTED @ 2012.02.22 |
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