Title: はかたもん。
スナフキンが「僕は自分の目で見たものしか信じない。けどこの目で見たものはどんなに馬鹿げたものでも信じるよ」と言っていて、昔旅をしている時には、この言葉をふと思い出すことがあったのだけど、それを久しく忘れていた。
今回2日ほど博多をふらふらとしていて、ふとこの言葉を思い出した。
結婚式とぐぐったところで、20年来の友達が結婚する時の気持ちはわからないし、誓いのキスを失敗した時のぐだぐだな感じも、両親への手紙で涙する気持ちも書いてない。
博多とかぐぐっても、屋台で隣のおじさんと乾杯するときの気持ちも、中州のとんでもない店でだまされて苦笑いする気持ちも、雨に打たれながらラーメンを食べるために並ぶときのわくわくも、博多弁に骨抜きになるどきどきも、お腹をかかえて笑うときの気持ちも載ってない。
この2日間を一言でいえば、友達の結婚式の為に博多に行ったということなのだけど。
その中には、自分の目で見て感じた時にしかわからないたくさんの気持ちが詰まっているのだ。
なんか。
年を追うごとに、友達っていいなとか、旅っていいなとか、あたりまえの言葉に血が通ってくるような気がして、結局はぐるっとまわって同じところへ立っているのだけど。
やっぱり、言葉とか知識とか情報とか、そういうものに長くさらされればさらされるほど、改めて行動とか、経験とか、痛い思いとか、笑えることとか、泣けることとか、感情の伴う生き方ということの大切さを感じるわけで、その感情の一つ一つに意識的なればなるほどに、人生の楽しみはこんなところにあるのだろうと思う。
そしてそれを伴に共有できる人がいるということはありがたいことなのだと思う。
昔はわからなかったけど、結婚式のよさってでればでるほどにわかってくる気がする。
いい結婚式だった。
なんか飛行機は嫌いなのだけど、飛行機から見える景色は大好きで、昼間のフライトの時は、いつも窓側の席をとってひたすら雲海をながめながらいろんな事を考えるのだけど。
離陸をして、どんよりと厚い雲の中を、ひたすらに揺れながら飛び上がり、ふと雲をつきけたら、いままでの天気が嘘みたいに晴れ渡って、あんなに揺れていた機体が安定して、そこにはどこまでも広がる雲海があって。
なんか、人生とかもこんなものなのかもしれないなと思った。
そして、この2日で一番笑ったのは、帰りの飛行機で隣で爆睡する友人の腕に、週刊誌の袋とじを開いて、全開にしたまま抱えさせておいて、その友人が目を覚ましてもそれに気づかず、大事そうにその袋とじを抱えたまま、笑顔でスチュワーデスさんと談笑している姿を横から眺めているときだったのである。
いいおっさんがエロ本抱えて、笑顔でジュースをもらっている姿のシュールなことシュールなこと。
そしてその光景が今回の旅のすべてを集約しているような気がしたのです。
いい旅だった。
POSTED @ 2011.05.30 |
Comment (0) |
Trackback (0)