Title: 高校の時の話。

自分の卒業した高校から小さな冊子が届いた。内容はたいしたことない冊子なのだけど、その中に高校3年生の時の担任の先生のコメントが載っていた。

その先生は本当にいい先生で、他のクラスの友達にはそのクラスになれたことを羨ましがられるような先生だったのだけど。

その先生を一度だけ本気で怒らせたことがある。

理由はさておき。

その先生は、何も言わず目の前で、自分の大学の推薦状をびりびりに破って廊下にぶちまけた。

そして無言でその場を立ち去った。

その後一人で、その廊下に散らばった推薦状を拾い集めながら、よほど怒鳴られて殴られた方がよかったと思ったのを今でも覚えている。

昔から、比較的怒られ慣れている自分には、怒鳴られたり、殴られたりすることにはいくらでも耐性があるのだけど、無言で立ち去られることがこんなに響くとは思わなかった。

友達に、あの先生を怒らせるなんて、ある意味おまえすごいなと言われて、その時に怒らせてはいけない人を怒らせてしまったことを後悔したし、世の中には怒らせてはいけない人がいるのだと言うことをお腹でわかったような気がしたのだ。

なにをどう考えても自分が悪かったし、不条理でもなんでもないだけに、本当にもっといろんなことを配慮しなければいけなかったと思った。もし戻れるなら禁製品の隠し場所にはもっと気をつけようと思う。

その先生が、その冊子の中のコメントで、母校への想いを200字で述べよ。と言っていたので、200字で母校への想いを述べてみようと思う。

今になってわかるなんて綺麗な言葉でまとめたくはないが、一見素晴らしく見えるものだけでは、人は成長できないということが全寮制男子校を卒業したことでわかった気がする。自分で何か選択をするようになって初めて、あの頃にあった本当に大切なものに光が灯るような気がするのだ。二度と戻りたくないけど、でも自分はいつまでものあの頃の話をし続けると思う。そしてそういう大人になったということがしてやられた気がするのだ。

なんて。


POSTED @ 2011.06.27 | Comment (0) | Trackback (0)

コメントを書く。