Title: デブ。
5年前に桜の木を植えた。
次の年もその次の年も桜は花を付けなかった。原因は水も光も栄養も十分すぎるからだそうだ。それから肥料をやめて、枝をばさばさと切り落としたら、こりゃまずいと思ったのかどうかは定かじゃないけど、その年から桜は花を付けるようになった。
最近この時のことをよく思い出す。
思いっきり自分にあてはめて。
欠乏や渇望のくれるものは大きい。
白紙の画面にいくらでも文章を紡げて、時間さえあれば本を貪るように読んで、吸収してははき出して、カラカラになったらまた吸収する。そんなことを繰り返していたのは遠い昔。
今自分に欠けてるのは渇望なんだろうな。
喉の渇いていない馬を水飲み場につれていっても意味はないんだ。
自分の喉を適度に渇かせて、ただの水をおいしそうにのどを鳴らしながら飲む快感をいつまでも味わっていたいのだ。
自分で自分を修復して、メンテナンスできる人間しかどのみち先には進めなくなるのだという言葉の中には、自分で自分をいつも飢餓状態にしておけるかどうかということも含まれているのだろうな。
きっとそれができない人間がデブになる。
デブには、もっといえばデブの思考回路では越えられない一線があるのかもしれない。
デブにはなるまい。
身も心も。
いやむしろ心くらいは・・・
POSTED @ 2012.03.31 |
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