Title: アリス
「教えていただきたいのですが、ここからどっちへ行けばいいのですか?」アリスが問う。
「それは、君がどこへ行きたいかでほぼ決まるな」とその猫は言った。
「わたしはどこでもかまわないの、ただ・・・」アリスが言う。
「それならどっちでもかまわないな」猫は答える。
「どこかへ辿り着きさえすればね」とアリスは言葉を補った。
「そりゃあ、辿り着くとも」と猫、「辿り着くまで歩き続けさえすればね」
不思議の国のアリスの一場面。いま幼稚園では子どもたちが発表会に向けて練習をしている。それをみていて、まっすぐにこの台詞をいう子どもたちの言葉がずどんと響いた。
きっと役者さんがこれをいっても今の自分には届かなかったかもしれない。一生懸命に台詞を覚えて、ここにくるまでに何日も何日も練習して、舞台に立って、日に日に成長してくる姿をみていて、その時間と成長の過程が一気に押し寄せてきて、それがこの台詞に集約されてぐっとこみ上げてくるものがあった。
そういう過程を間近で目の当たりにすると、この短い時間にこの子どもたちはこれだけのことができるようになったんだ。自分だってまだまだまけてられないとか思う。
きっとこの子たちがこの言葉の意味に質感を感じられるようになるまでまだまだ時間はかかるんだろうし、これから先の人生つらいこともたくさんあるけど、でもこのまま歩いて行けばきっとどこかへたどり着けるよと思った。
長い人生のうちのわずか3年間だけど、この過程をこんなに身近で感じられるというのは本当にありがたいことだと思う。
POSTED @ 2011.02.08 |
Comment (0) |
Trackback (0)