Title: 116

夜中にふと目が覚めて、眠れないので身体を起こそうと思ったら、眼鏡の上に手をついて、フレームの先が手のひらに刺さった。暗い部屋で、じんじんとする手のひらの痛みを味わうように感じながら、消えたノートにかかれた言葉を思いだそうとしたのだけど、3割くらい思いだしたところでまた眠りに落ちた。

朝起きたら、手のひらが赤く腫れていた。

たかが-2時間なのに。そこには大きな隔たりがあるように感じた。

*

平成というのは、まちがいなく昭和の上にのっかてるんだ。きっと昭和も大正の上に、大正も明治の上にのっかてるんだろうな。

その「時代」を包む空気感、そこで誰かが痛烈に感じたことは、間違いなく次の時代の中にも残り香のように漂っていて、その残り香がまた次の時代の子どもたちの中にも繋がっていくのだろうと思う。

ものをつくるってそういうことなんだきっと。

*

目の前に自分の弱さが可視化されたときに。

それにどういう感情を感じるのか、忌むのか、愛でるのか。媚びるのか。

逃げるのか、共存するのか、打ち負かすのか。

狡猾に自分に嘘をつくのか。

*

からっぽだな。

からっぽだから詰めたくなるんだろうな。

からっぽをからっぽのままにしておけないわけですよ。

それはほんとはただの空洞を埋めるだけの作業なのに、

その作業がいつのまにか自分そのものであるかのように錯覚して。

いつのまにかからっぽだったことすら忘れるんだ。






POSTED @ 2015.03.28 | Comment (2) | Trackback (0)

たまにはこちらに。0×0=0じゃないんですよね、空っぽになった状態から、少し常識から外れてみます。

Posted by: Jinneri @ 2015年4月13日 21:44

コメントありがとう。空っぽの状態がどういう状態なのかそれを、頭で捕まえるのはとても難しいです。

Posted by: ryo @ 2015年4月29日 09:50

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