Title: やさい。
8月の最後の日。
おじさんからもらったかなりの年季の入った望遠レンズをひっぱりだしてきて月を撮る。
マニュアル操作だから、シャッタースピードを少しづつ変えながら明るさを調整する。そうやってしばらく月と向き合いながら、べたながらも、今どれだけの人がこの月を眺めているのだろうかと思う。
絶望に打ちひしがれてこれを眺めてる人も、有頂天でこれを眺めてる人も、誰かと一緒に眺めてる人も、一人で見ている人も、職場の窓から眺めている人も、海岸で防波堤に座って眺めている人もいるかも知れない。
だからなんだって話だけど。
世界は広くて人の数だけ生き方があって、そのどれも正解かもしれないし、そのどれも不正解かもしれないから、誰かに自分の想いや意見を押し売りするのはやめようと思った。
ここでこうやって少し酒気を帯びながら、おじさんのレンズを引っ張り出してきて、色んな事を思い出したりしながら、夜風に吹かれて月を撮っているこの時間は、誰かにとったらどうでもいいような時間だけど、自分にとっては至福の時なのだ。
こういう時間を少しでもたくさんみつけて、あと何十時間、何百時間あるかわかんない残された時間を、少しでもこういう時間にあてて過ごしていきたい。
もうそれだけで十分だ。
こんな日は心の深いところで約束をおもいだす。
なんだろう。夏が終わるのが全然嫌じゃない。
POSTED @ 2012.08.31 |
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