Title: イメージ。

イメージということについて。備忘。

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日常の6割はイメージの中にあるものなのかもしれないと思った。

通い慣れた道を走っていたり、夜中にめがさめて真っ暗な家の中を台所まで水を飲みに行くときとか、そういう習慣の導線の中にいるときに、人間は目や、もっといえば五感で得る情報を頼りに身体を動かしているのではなくて、頭の中にできているイメージ先行で身体を動かしているのかもしれない。

そう考えると、例えば、日常の導線に大きなイレギュラーがあると対応出来ずにそこに足をぶつけたりすることにも、身体が疲れていて、イメージ通りに足が上がらなくて階段で躓くことにも納得がいく。目で見て身体を動かしているのであればそういうことはそうそうないのではないかと思う。

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五感からの情報を全て処理するということは、脳にとってメモリーをたくさん使う作業だから、日常のルーティーンはできるだけ省エネで無駄なく動くために、イメージの力を使うのかも知れない。

この「イメージ」ということについてのメリットとデメリットを考えるに、イメージを優先させることのメリットは省エネで動けるし、脳にかかる負担が少ない分、余ったメモリーを別のことに使える可能性がある。デメリットは、五感からの情報でない分、細かい変化や小さなイレギュラーは切り捨ててしまうので、目を凝らさないと見えない類の変化に気づきにくくなるということかもしれない。

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新しい町や国や、道や、人と関わるときに、まずイメージができなければ、人間は五感を使ってそれを処理しようとする、すると脳に血が流れるし、だからこそ「しばし旅立ちたること目のさめるきもちすれ」みたいなことも起きるのかも知れない。

日常でいかに脳に血を流すか考えると、五感をいかに動かすかということは大事で、ただその状態は脳をフル活動させているようなものだから、イメージの力に頼って、脳を休眠させることでみえてくるものとのバランスというのは大事なのかも知れない。

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イメージの力というのはすごいもので、どんなこともイメージできなければ身体は動かすことができないし、そのイメージが強くなればなるほどに人間の身体は無駄を省き、とっさの行動にも対応出来るようになるのだと思う。だから基礎も、訓練も、練習も、なんでもそうだけど、あれは繰り返し頭の中にイメージを植え付ける作業なのだろう。

ベストキッドの「ワックスかけるワックス拭く」もその原理なんだろう。

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イメージ優先の時に紅葉は秋なのだけど、五感で感じるとそれは木々であり葉々になるような感じ。

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このイメージで身体が動くというのは、人と人の関わりの中でも同じ事が言える。イメージ優先で人に関わるときと、五感優先で人と関わるときに自分にもたらす心の変化と影響は全く違うものになる。

現実は目の前に質感のある物なのだけど、実際にその中で生活する自分は、イメージの中の世界で生きていることがほとんどであるのかもしれない。


POSTED @ 2013.12.10 | Comment (0) | Trackback (0)

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