Title: 草野球。
外野に立って遠巻きにグラウンドを眺めていると妙に安心する。
きっと、昔から出席番号順で席が決まっていたので、中高6年間大抵後ろのほうから教室を眺めていたことと、ラグビーもウイングのポジションが多かったので、いつだってこの位置から見える全体像に安心するのかもしれないと思った。
試合は投手戦だったので、なかなか外野までボールが飛んでくることはなくて、遠くから聞こえてくる盆踊りの音に耳を澄ましながら、時折吹いてくる風の心地よさに、気を抜いたら試合中であることを忘れそうなくらいに初夏の空気に陶酔していた。
そんなぼけっとしたのセンターの前に、フライが上がってきたが、グローブをかすめることもなく落球したのはいうまでもない。
自分の中では紙一重で落としたのだけど、レフトが言うのは数メートルは離れていたそうだ。
それと、バッターボックスというのはこんなに緊張感のあるものだったんだということを久々に感じた。相手ピッチャーは草野球にはあるまじきスピードの球を投げてくるので、大概はフルスイングの三振か見送り三振だったのだけど。
でもネクストバッターサークルから、軽く素振りなんかしながら、打席に向かうときの気持ちが最高に気持ちよくて、やっぱ真剣勝負というのはひりひりしてどきどきする。
胸をえぐるようなボールにのけぞらされて、むかっとしてフルスイングしたバットは心地よく空を切るばかりなのだけど、それでも派手に振り切ったバットの潔さをすこし誇らしくも感じたりするどうしょうもない自分も嫌いじゃなかったりするのだ。
この年になると力の差を歴然と感じたり、それを詰めようと努力する意欲に火が付いたり、ひりひりどきどきする経験は少なくなる。
だから、たかが草野球だけど、されど草野球だと思うのです。
POSTED @ 2012.07.22 |
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