この時期の園庭は宝物にあふれている。
色づいた葉っぱや木の実、だんごむし、砂の中から出てきた少し大きな丸い石、
子どもたちはそれを宝と呼ぶ。
自分の力で発見した喜びを誇り、共有し、そしてまた新たな宝探しを始める。
大人になると宝というのは、物理的に価値があるかどうかということが前提条件になるが、
子どもたちは「発見すること」そのプロセスそのものが宝物を生み出す前提条件になっている。
そのプロセスの先に見つけたものは唯一無二自分だけの特別なのだ。
子どもから大人へ変化するために必要なことの多くは経験を積むことで得られるものが多いけど、
経験をすることで失うものの中には、そういう小さな感動や喜びも含まれる。
その原始的な感動や喜びがいつまでも価値をつくる基準の根底にあってほしいと思う。
その根底はなににも奪われず、決して失われず、自分自身を支える大きな根っこになる。
という想いを新たに新学期がはじまっています。