Title: まろ

先日、またひとつ歳をとりました。

うつけなんぞに負けるわけがないとたかをくくって桶狭間。

雨の中、脇目もふらず進軍してきた若者に虚を突かれ討ち取られつつも、
最後の最後、組み伏せてきた毛利新介の指を噛みちぎったという逸話に歴史浪漫を感じつつ、
気づけば、自分も今川義元が桶狭間で討ち取られた時と同い年になっていたということに驚きます。

誕生日の前日には「男はつらいよ お帰り 寅さん」を見直しました。
つながり薄れるこんな時だからこそとても心に染みました。
寅さんの魅力はさることながら、はしばしにでてくる食事の風景がとても好きです。
そして自身の恋の物語から、いつしか満男の相談役になっていく寅さんの姿にもまた時の流れを感じます。
満男にかける言葉の一つ一つに、じんわりと心が温かくなりました。

最近は、いつかみた背中のことを思い出すことが多くなりました。
懐古主義になったつもりもさらさらないのだけれど、
時は刻一刻と流れているのだということを、
昔よりもよりリアルに感じることができるようになると、
いやがおうにも、昔みていたあの人たちもこんな気持ちを感じていたのだろうかということを考えてしまいます。

そんな、桶狭間で昭和を懐古するような自分も嫌いじゃないのだけど、
そこに反作用するように、やったことも、やるつもりもないけど、
盗んだバイクに乗って窓ガラスは割ってまわったり、
夜通し山を駆けて、強大な敵を強襲したりするような、
血湧き肉躍るような熱いコスモを、
いつも心の中に燃やし続けていたいなんて、
気づけばそんな青臭い思いが頭をもたげてくるのです。

そんな作用反作用を抱えながら、

まずは、正月太りした身体をしぼり、
膝に負担がかからない程度の運動を続け、
うがいと手洗いと歯磨きも欠かさず
コロナにならないようにしながら、
組み伏せられたら相手の中指くらいは食いちぎってやるくらいの士気だけはつねに保って、
桶狭間に腰を降ろしたくなっても歩みをとめず。

また1年、足元を確認しながら自分のペースで進んでいけたらと思います。

とかく、西に行きましても、東に行きましても、
土地土地のお兄貴さん、お姐さんに
ご厄介かけがちになる若造です。

以後お見苦しき面体 お見知りおかれまして
向後万端ひきたってよろしくおたのみ申します。

あなかしこ、あなかしこ。

POSTED @ 2022.01.11 | Comment (0) | Trackback (0)

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